木工塗装について
木製品塗装は木工塗装技能士の有資格者にお任せください。
専門的な知識と経験が要求される仕事
家具や建具、階段手すりを含めて木部の塗装をする場合には、塗装業者に依頼する事になります。一般に建築現場においての塗装は建築塗装と呼ばれ、外部・内部のすべてを請け負います。従って塗装する素材はコンクリート・鉄・プラスチック・木材など多種多様となり、建築塗装屋さんがすべて塗装することになります。しかしながら、素材の中でも特に木材の塗装は難しいと塗装業界で位置づけられています。ナラ、タモ、メープル、カバなど樹種が多種多様で、それらを生かしつつ塗装をする事が木材の塗装には求められます。
トラブルが多い木材塗装
木製品の現場塗装でよく見られるトラブルに「着色ムラ」と呼ばれるステイン着色塗装で生じるものがあります。これは材面の着色具合が濃淡バラバラで汚れたようになる現象です。この原因のほとんどは木材の塗装適正の正しい知識が不十分で木材の種類を見極めずに、塗装してしまう事にあります。
つまり、材種または木材の状態によっては都合の悪い塗装方法があるということです。
微妙なニュアンス
また、一見単純と思われる透明塗装においてもトラブルになることがあります。それはメープル材などの材色の美しい白い肌目をそのまま残して塗装する必要のある場合に発生します。このケースでは白木仕上げの技法で施工するのが望ましいのです。しかしながら、その認識が不十分で単なるクリヤー塗料を塗装した場合、素材の白さは消滅し、塗料の浸透による素材の濡れ色が強調されてしまいます。一度塗り上がったものを塗り替えることは困難であり、施主、設計者の納得のいかないままに引き渡しを迎える例も見受けられます。これらの事例からも木製品をより美しく、しかもトラブルの無いように仕上げるためには、木材・塗料の知識や塗装技術などの習得と経験で得たノウハウが必要となります。
このことが木材塗装は難しいと言われる所以であり、この木材塗装のノウハウを持っているのが塗師屋と呼ばれる木工塗装技能士の有資格者です。
(木材塗装研究会 副会長 長澤良一氏談)